ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

聴く側の姿勢づくり

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。本日は授業のコツを書きますね。

新米先生がた、授業に悩むの先生がたの参考になる「すぐに使える!」

というネタを用意してまいります!

 

本日は、

「聴く側の姿勢をつくる」

です。

 

いかに良い話をしても、聴く側の姿勢がおろそかであれば、それは生徒の頭には残りません。残らないどころか、生徒は言葉をただの音としてとらえ、そこに込められた意味や思いを感じ取ってはくれません。

 

聴く姿勢を作るには、以下の2つに気を付けましょう。

①聴く側の姿勢づくり

②中身のあるたとえ話

 

①聴く側の姿勢づくり について、

これ、かなり大事です。

 

授業に来た時の生徒は、授業を聞くことよりも、友達と話をすることに意識が向いていませんか?

もし、その生徒がおしゃべりさんだった場合、先生の話を聞くよりも、自分の話を聞いてほしくて、授業が始まっても先生に、もしくは周りの友達にむかってしゃべり続けている、なんて状況がありませんか?

 

もし、それが日常的になっていて、それを

始めは注意するけれど、注意しても聞いてくれないから、そのままの状態でなんとなく授業を進めている、とか、

 

生徒たちの話声よりも大きな声で授業をすることで生徒の話をさえぎっている、なんてやり方をしていたら、

 

それは先生のエネルギーがより消耗しやすい状況を作っているだけ。生徒の頭の中には先生の大事な話は意外と届きません。

 

騒がしい中にも、まじめにおとなしく聞いている生徒がいたとします。もしその子の意識が、先生の大きな声よりも「周りがうるさいこと」にとらわれていたら、先生がせっかく準備された話が台無しです。

 

だからこそ、「授業の入り」は大事にしましょう。きちんと生徒に話を聞いてもらうには、まずは生徒の姿勢づくりがとても大事になります。

 

では、そのためにどうすればいいのか?

 

そこに、②中身のあるたとえ話

が非常に有効になります。

 

私自身、よく使うたとえが、

 

「授業は、テレビじゃない」

 

というセリフです。これは、テレビでか、本でか、何から得た話かは忘れてしまいましたが、基本は誰かの受け売りです。でも、とても的を射たたとえだと思ったので、愛用しているフレーズです。

 

たとえば、こんなふうにはなします。

 

「なぁ、ちょっとみんな、きいてほしい。ちょっと話やめて。」

「あのね……(間をあけて、生徒全員と、一度目を合わせます)

 ぼくはテレビじゃない。きみたちは、テレビを見てるんじゃないんだよ。」

(声は穏やかに。でも表情は真剣に。)

「ぼくは、ここで話をしている生身の人間だよ。なんのためにって?みんなが役立てられることを伝えるために。そもそも、みんなは何でここにきているの?そうだよね。勉強するためだよね。でも、ただ勉強するだけだったら、図書館でやればいい。家でテレビをつけながら、音楽を聴きながらやればいい。でも、みんなはわざわざ疲れている中、居心地のいいソファーに座らず、ここの椅子に座りに来ている。なんで??親に行きなさいって言われてこさせられているっていう人もいるかもしれないけれど、ここにいるのはみんな自身の足で歩いてきたからだよね?」

 

「ここの中に成績を上げたと思わない人がいたら手を挙げてごらん。一人もいないね。だったら、僕と君たちの目的は全く同じだ。そう。成績を上げるために一緒にここにいるんだ。」

(こんな感じで話すと、結構神妙な面持ちになって、教室も騒がしくなくなります。)

(ここで、もう一度、あのたとえに戻ります。)

 

「あのね、ぼくはテレビじゃない。テレビは、つけておけば勝手に話しているから、きみたちが意識しなくてもずっと話し続けている。情報を伝え続けている。でも、君たちが意識しなければ、そのたくさんの情報は無駄に流れ続けるだけ。」

 

「自分がおやっ?って思ったところだけ注意して聞く。たとえば、勉強の話がいきなり大好きなスポーツの話にすり替わったときとか。」

 

「でも、難しい退屈な話、バラエティー番組からニュース番組にチャンネルが変わったときのように、ガラッとまじめな話になった瞬間、興味を無くして勝手なことを考え出す。」

 

「それは、授業の受け方じゃない。テレビを見てるだけ。ぼくは生身の人間。ぼくのことばは、ここに一緒にいる君たちの成績をあげるために一生懸命心を込めて伝えている言葉。それを、テレビと同じように見てほしくない。ちゃんと聞いてほしい。」

 

このように話をすると、生徒はこっちを見て一生懸命話を聞き出します。自分たちの姿勢が、「家でテレビを見ているのと変わらない」という、意外な切り口から話をされたことで気持ちが引き付けられ、さらに、普段の自分の日常的な振る舞いかたの例が、「集中していない状態」をリアルに感じさせるわけです。

 

そこに踏み込まれた生徒たちは、先生の話を「おやっ?」と、注意して聞き始めるはずです。そして、先生の話の中で確認された、

「目的の共有」

が、生徒の心の軸足を、本来の勉強に戻していくというわけです。

 

生徒の話を聞く姿勢は、よく、「コップの口の向き」にたとえられますよね。

 

生徒に「知識」や「思い」という水を注ぎこもうとする。でも、その時に生徒の心コップの口が下向きに置かれていたら、いくら注いでも水は入っていかない。生徒の中に自分の用意した水を注ぎこみたかったら、まずは、そのコップの口を上向きにしてあげなければならない、と。

 

そういう状況を大事に授業をスタートしてみてください。そして、

一生懸命話を聞き出した生徒をしっかり承認しましょう。たとえば、その授業の最後に、

「疲れている中、いつもより集中して話が聞けたね。」

「その聴き方を続ければ、必ず得られるものは多くなって、みんなのせいせきもあがtってくるからね。」

などというように。

 

せっかく、何時も一生懸命準備されている授業内容。ちゃんと生徒たちに聞かせなきゃもったいないです!

「聴く側の姿勢づくり」

大事にしてくださいね!