授業を楽しむために大切なもの⑪
みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。
今日のテーマは……
「授業を楽しむ」パート11
です。このテーマは、前回に引き続き。かなり長めにあつかっておりますが、
やっとラストです!(笑)
本日は、以下の授業の組み立ての⑨と⑩を扱います。
①比喩を通して伝えたい柱を決める
②誰に対して伝えたいか、その対象を決める
③どんな材料を用いるか決める
④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する
⑤全員の一体感を作る場所を決める
⑥ユーモアを含める
⑦話の枕とエンディングを作る
⑧伝える言葉を選ぶ
⑨自分の授業を自分で見る
⑩身にしみこむまで繰り返す
ちなみに、長くなっておりますのでちょっと補足。①の「比喩」は、私の全国模擬授業大会出場授業で日本一をとった時のテーマです。みなさんは、ご自身のテーマに置き換えてお考え下さい。
繰り返しますが、長々と書いてきた授業の組み立てシリーズも今回でラスト!!
⑨自分の授業を自分で見る
⑩身にしみこむまで繰り返す
についてお話していきます。
当たり前の話ですが、
授業がうまくなるのに、近道はありません。
練習。これが大事。
でも、そのやり方を効率よくすることはできます。
それが、⑨自分の授業を自分で見る です。
皆さんは、自分の授業の映像を見たことはありますか?
そこから学べることは結構たくさんあります。
- 自分の表情
- 声の大きさ
- 動きの量
- アイコンタクトの幅
- 字の大きさ
- 板書のバランス
- 板書の配色
- 声の抑揚の幅
- 説明のわかりやすさ
- 説明の的確さ
- 言葉遣い
- 時間の感覚 などなどなど……
すべて、一つ一つ欠かすことのできない授業の部品です。
ですが、見落としやすい部分である最後の「時間の感覚」は、授業の印象を最後に左右するといっても過言ではありません。
これは、他の項目とは異質なものです。
なぜかって?
それは、
「授業が終わってから相手に与える印象を左右する」
からです。
生徒がよく集中した授業の後に、
「えっ? もう授業終わり??」
なんて発言、聞いたことありませんか??
これ、結構快感ですよね(笑)
その感覚を与えるのは、生徒の思考が集中していることにも因るんですが、それだけでなく、授業全体のテンポにも因ると、私は考えています。
模擬授業大会の時間は15分の設定が多いと思うのですが、やるほうはあっという間ですよね。ですが、
聴く側にとっては、15分って、結構長いです。
特に、だらだらと流れる15分は大変。極端ですが、身動き一つせず15分座っていなさいって言われたら結構きついですもんね。
その長さを生徒に感じさせた分だけ、授業のイメージは下がる
というわけです。
では、どうすればその長さを感じさせにくくできるか??
コツは結構単純なんです。
それは、
「授業の後半につれて、テンポを少しアップしていく」
ただ、それだけの事。(byぷふ)(笑)
ハンターハンターを知らない人、ごめんなさいね。
これを少し意識するだけで、授業全体が結構引き締まります。
ただ、頭でわかるのと、実際にできるのとでは違います。
実際に後半をテンポよくやろうと思ってやってみても、あせってしまって話すのが難しくなったり、早口で聞き取りずらかったり、なかなかバランスの良いポイントに収めるのが難しいと感じると思います。
だからこそ、⑩身にしみこむまで繰り返す ということが必要になるわけです。
見つけた課題を修正するには、何度も何度も練習しなければ、自分のものにはなりません。そこは大変ですけど、納得いくまでビデオに自分の授業をおさめて、
「よし!このテンポなら聴ける!」
というものを見つけられたら、それは何とも言えない充実感を、皆さんの心の中に生み出してくれるはずです。
さて、このシリーズの全部を読んでくださった方、本当にありがとうございます。
「授業を楽しむために大切なもの①」で書いた
①教えたい柱を明確にする。
②そこに至るまでのストーリーを組み立てる。
③途中で話の枝分かれを作る。
④話の枕を教えたい柱とからませる。
⑤感動(感情が動く)ポイントを作る。
という準備のすべてを包含する話ができていたと思います。
③途中で話の枝分かれを作る。
については、様々なパートを作ることで、聴衆を飽きさせない工夫につながります。
私の比喩の授業であれば、
「比喩がつくる違ったイメージ」「比喩がつくる同じイメージ」
「比喩が伝える文字で表されていないもの」
「比喩が伝える少し先の未来」
「比喩の盲点」
のといった感じです。
それらはすべて、
「比喩の力」を上手に伝って、人生を豊かに
という④話の枕を教えたい柱につながります。
そして、⑤感動(感情が動く)ポイントについては、
私の比喩の授業であれば、
「桃のような掌」のシーンや
「よだかの星」のシーン、エンディングの「言葉の海」のシーン
あたりがそれに当たります。
もちろん、授業の組み立て方に、絶対の正解はこれ!
なんてものはないでしょう。
皆さんが重ねた、心を込めた準備の数だけ、
よりよい授業のカタチへの道は、開けていくのかもしれません。
これからも、授業を楽しみ、生徒を笑顔にさせたいという先生がたに向けて、私が気付いたこと、感じた事、皆さんに役立てていただけるのではないかということを、つれづれなるままにここに記していこうと持っています。
そして、みんなで日本中を「良い授業」でいっぱいにしましょう!!
これからもお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます!