ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

授業を楽しむために大切なもの⑨

みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「授業を楽しむ」パート9

 

です。このテーマは、前回に引き続き。かなり長めにあつかっております。

 

本日は、以下の授業の組み立ての⑦を扱います。

 

①比喩を通して伝えたい柱を決める

②誰に対して伝えたいか、その対象を決める

③どんな材料を用いるか決める

④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する

⑤全員の一体感を作る場所を決める

⑥ユーモアを含める

⑦話の枕とエンディングを作る

⑧伝える言葉を選ぶ

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

 

ちなみに、長くなっておりますのでちょっと補足。①の「比喩」は、私の全国模擬授業大会出場授業で日本一をとった時のテーマです。みなさんは、ご自身のテーマに置き換えてお考え下さい。

 

今日は

 

⑦話の枕とエンディングを作る

 

についてお話していきます。

 

授業って、その中身も当然大事なのですが、

「話の入り」 と 「話の結び」 は、聴く人の注意力や授業の印象全体を左右すると

ても大切なものになります。

 

せっかく良い内容の授業準備をしても、相手がそれを聞く気がなければ何にもなりません。まだ授業経験の少ない方、日々一生懸命準備をしていてもなかなか生徒が理解してくれないとお悩みの方、それはもしかしたら

 

相手の意識そのものに問題があるのかもしれません。

 

では、それは相手のせいだから、自分には何にもできないのではないか?って、

 

全然そんなことはありません!!

 

もちろん、それぞれにキャラクターの違いや声量のちがい、話し方の違い、経験の違い、様々な要素はありますが、それはそれでまた対策を練るとして、

 

本日は、ここを意識しましょう!

「話の入り」 と 「話の結び」です。

 

上手に入り、上手に結ぶコツは、一言でいえば

 

「関連付けること」

 

です。

 

 

 私は、読売新聞をとっています。その理由の一つが、毎回載っているコラムのファンであること。朝日新聞でいえば「天声人語」に当たる、「編集手帳」というコーナーを担当する読売新聞の論説委員のかた、それが竹内政明さんです。

 

池上彰さんとの対談形式でまとめられたこの本には、短い文章で相手を引き付けるコツがふんだんに示されていて、この人たちの背景知識の多さに驚きながらそれらについて学ぶことができるとてつもないお得感があります。

 

編集手帳は、最近起きた出来事に対しての読売新聞の考えを載せるわけですが、

「話の入り」は、まるで違うところから入ります。

 

昨日2018年7月16日(日)の編集手帳は、以前私がブログに記した、西野監督サッカー日本代表)の勝利という奇跡についての裏付けに触れていました。少し切り口は違いますが、きっと同じような「プロの為せる業」について感じられたのだと思いました。それは、同時に私にとってとてもうれしく、誇りに思えることでした。

 

話はそれてしまいましたが、この記事の入りかた、

 

「ロシアの作家ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟』に、こんなくだりがある。<現実主義者にあっては、信仰が奇跡から生まれるのではなく、奇跡が信仰から生まれるのである>(原卓也訳)」

 

なんです。

 

つまり、

 

「言わんとしていることとは、一見全く関連のないところから入る」

 

ということをしているんですね。

 

それは、読む人の

 

「ん?なんだろう?」

 

という集中のきっかけを生み出します。

 

これ、授業の初めに、聴く人たちの

 

「聴く姿勢」

 

をつくるのに、とっても大切なことなんです。

 

わたしは、全国模擬授業大会で「比喩の力」というタイトルの授業をししました。

 

その授業の入りでは、

 

「みんな、こんないい天気の日には山登りをしたいよね!山登りってさ、登っている最中は大変だけど、そんな思いをしたあと頂上に着いたときのあの達成感といったらたまらないよね! でもさみんな、こんな山、登ったことある??」

 

そう言って、黒板に、こう書きました。

 

「宿題の山」

 

今の話の中では、「山登り=勉強」という比喩の感覚も込めていました。大学の卒論で十返舎一九の「初登山手習帖」という黄表紙を扱いましたが、その影響が強く自分の中にあるのかもしれません。

 

でも、聴いている人たちを引き込む力は十分にありました。比喩がどういうものかを初めに簡単にイメージとしてつかんでもらうために、

 

シンプルかつ勉強との結びつきが広がる比喩

 

を選択して、そこにユーモアを見出し、利用したわけです。

 

また、「話の結び」には、以下のフレーズを用いました。

 

「みんな、これからも一緒に、言葉の海を泳いでいきましょう!」

 

同じ沢山でも、山のようにこんもりと積もっているというイメージもあれば、至る所に広がってたくさんある、というイメージで沢山をとらえることもできます。

 

「山⇔海」という対のイメージを「つながり」として利用し、

 

最後も、「比喩」であり、始めの「山」との関連付けを思い起こさせながら、

「勉強を続ける」ということにも同時に意識を持たせたいと欲張って、授業を結んだわけです。

 

授業はひとつのストーリー。見る者たちをどのように引き込むかが重要です。その授業でその単元を面白いと感じてもらえれば、その単元が好きになります。好きにできれば、主体的な学習姿勢を生み出せます。それが自己学習につながり、その生徒の得意科目になる。そして、その教科自体が好きになっていく。

 

こんな変化にも、ひとつの授業は可能性を持っていると、私は思うんです。

 

さて、今日は授業を楽しむために大切なものである、⑦話の枕とエンディングを作るということについて話をしてきました。

 

ぜひ、様々なものを結びつけるための知識と、話を構成する技を身につけて、生徒たちの目をキラキラさせてやりましょう!

 

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