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授業のネタ《教科編》②国語【文法・修飾の関係】

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!本日は授業のネタ。国語編です。本日は文法の授業について、先生がたの授業の参考になる「すぐに使える!」

というネタをお伝えしていきますね!

 

本日は、

「国語【文法・修飾の関係】」

です。

 

若い先生がたの中には

 

「国語の文法を教えるのが苦手」

 

という先生も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

 

理由はまず、

 

苦手な生徒たちが多く、授業のスタートからハードルが高い

 

ということが挙げられると思います。

 

そもそも、

 

文法を学習する理由は??

 

と、生徒に問われても、答えるのはなかなか難しいものです。

 

山形大名誉教授の永山勇先生は、ご自身が著した『国文法の基礎』の冒頭で、

 

文法は何のために学ぶか  について、

 

「文法的物知りになることが諸君の文法学習の目的ではない。文法的理解を深めることによって、文章の読解や表現が正しく能率的になることを諸君はねらいとすべきである。」

 

とおっしゃっています。

 

そう、

 

正しい日本語を使えることは、我々が生きていくうえで絶対に必要なコミュニケーションを豊かに行うために必要なんですね。

 

「正しい言葉の仕組みを理解し、丁寧に使うことで、会話や文章でのやり取りが上手になり、様々な相手と丁寧な、心の通うコミュニケーションがとれ、幸せにくらせるようになる。だから、文法事項を暗記するのではなく、心を込めて丁寧に言葉に向き合っていこう!」

 

のように、生徒に話したうえで、授業に入っていきましょう。

 

 

さらに、挙げられる理由として、

 

「なぜそうなるのか」

 

という、根本的理解にたどり着くまでの導き方、

 

つまり説明の仕方が難しいところがあるんですね、文法には。

 

そういうわけで、前置きが長くなりましたが、本日は文法の指導、そのなかでも

 

【修飾・被修飾の関係】

 

について、小学生への指導を想定して、おすすめのアプローチの仕方をお伝えしますね。

 

 たとえば、以下のような文の、先頭の文節がどの文節にかかるかを、生徒にきちんと理解してもらえるような解説を考えます。

 

 リビングに ソファーを 置くと、 せまく 感じられる

 

 

 

まず、子供たちの頭がどのように働きやすいかを想定します。

 

修飾の関係を正しくつかめないケースに多いのが、

 

とにかく直後の文につなげていく

 

というケースです。まずはその思考回路を断ち切る必要があります。

つまり、どのようなケースの場合に直後の文節にかかるかを体感させるのです。ここではまずは、連体修飾のケースのみ、例として見せていきます。

 

その方法は、

 

「リビングに」の文節のところに、他の言葉をいくつか置いてみる

 

という方法です。

 

例えば、以下のように、

 

 リビングに ソファーを 置くと、 せまく 感じられる

 ①大きな

 ②もらった

 ③手早く

 

と、「リビング」にならべて、3つの文節を書きます。

 

そして、

 

「たとえば、①大きなという言葉は、

物のサイズを表しているよね?

ということは、

これはどの言葉を説明しているかというと?

そう、ソファーだよね。

つまり、この『大きな』という言葉は、

『ソファー』という言葉を説明していることになるね。

じゃあ、②は『ソファー』を説明できるかな?

うん、できるね。

『(人から)もらったソファー』といえば、

誰かがくれたソファー

という意味として伝わるもんね。

じゃあ、③の『手早く』は、

ソファーを説明できるかな?

うん、そうだね、これは変だね。

『手早く』というのはどういう意味?

うん、『てきぱきと』ということだね。

作業がスムーズな様子。

ということは、この言葉は?

そう、『置く』という動作を説明するんだね。

つまり、言葉には、

『ものの名前を詳しく説明するもの』と

『動きや様子を詳しく説明するもの』

があるってわかったかな?

 

という流れで説明をしていきます。

 

すると、子供たちの頭の中で、

①修飾するということがどういうことか

②修飾のルールの分類

 

がざっくりとかたちづくられ、

その後の反復によって細かいブレを修正するのにまず大切な、

 

「文法への心のハードルを低くしてあげるということ」

 

ができるようになります。

 

言葉で言葉のルールを説明することは難しいですが、そのために、

 

どのような例文で生徒のわかったを引き出そうか?

 

というような教材研究へのアプローチはとても重要です。

 

また、文法の授業の良さとして、

 

例文は、自分で自由に作れる

 

ということが挙げられます。

 

いくらでも楽しい文が作れるということです。

面白い文法の授業になるかどうかは、自分次第である

というわけです。

 

日本語自体のルールですから、いくら人生を豊かに送るという目的に結びつけられると言っても、例文でその全てを示すのには、生半可な準備では足りません。たくさんの例や、生徒の思考の予測を繰り返していく必要があります。

 

でも、そのように、

 

「生徒の頭はどのように働くだろう?」

 

という、彼らに寄り添った準備ができれば、必ずおもしろく、わかりやすい解説ができることでしょう。

 

我々教師が、文法をわかりやすく教えることに自信を持ち、楽しめるように、様々なアプローチを考え、実践してみてください!