ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

授業を楽しむために大切なもの③

みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「授業を楽しむ」パート3

 

です。このテーマは、前回に引き続き。ちょっと長めにあつかっていきますね。

前回、私が名古屋で行われた全国模擬授業大会で日本一になったときの授業の作り方の手順をご紹介しました。

作成の手順は

①比喩を通して伝えたい柱を決める

②誰に対して伝えたいか、その対象を決める

③どんな材料を用いるか決める

④どのように受けての頭や感情が動くかを想像する

⑤全員の一体感を作る場所を決める

⑥ユーモアを含める

⑦話の枕とエンディングを作る

⑧伝える言葉を選ぶ

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

というものでした。

 

この回からは、ひとつづつ丁寧に進めてまいります。

今日は、上記の①についてです。

 

①比喩を通して伝えたい柱を決める

 

「比喩」は、レトリック(表現技巧)の王様です。いわゆる「たとえ」ってやつですね。この技法があるのとないのとでは、話の臨場感や奥深さは全く違ってきます。もし、話の中から一切の比喩が消えたら、途端にその話は味気ないものになってしまいます。逆に、素朴な表現を比喩表現に変えると、そこには話者の感じている世界観がカラフルに、時には温度をもって力強く伝わってくるようになります。

 

「そんな比喩の力の源はいったい何なのだろう??」

 

この問いから、私の授業の柱を探す旅が始まりました。

 

「そうだ、図書館へ行こう」

 

「そうだ、京都へ行こう」と、いつぞやのキャッチコピーほど大胆な行動ではありませんが、思い立ったが吉日。昼過ぎからの出勤の前に、午前中の時間を使って市内の中央図書館へ。そこで、目を付けたのが、レトリックの宝庫である「詩」でした。

 

題材にするなら有名なものがよいのではと、金子みすゞさんや宮沢賢治さんなどを中心にパラパラと書籍を繰りながら目に留まった詩に使われている比喩が醸し出すイメージに触れていきました。

 

そこで、面白い事に気づけたんです。

「詩」という作品である以上、考えてみれば当たり前のことなんですが、

 

「同じ作品でも、見る者によって解釈の仕方が異なる」

 

ということだったんです。

 

「なぜだ??」

 

頭の中に疑問が浮かんだまま、図書館で引き続き様々な作品に触れましたが、それ以上思考が広がることなく、無駄に時間が過ぎていきました。

 モヤモヤしたまま出勤をしました。結局、その日のうちに、自分の探し求めている答え=授業の柱にたどり着くことはありませんでした。

 

そんなモヤモヤを解消してくれたのは、いつもお世話になっている、うちの会社の教科長でした。自分が図書館で調べて興味を持った内容やその時に感じたことをそのまま伝えました。

 

すると、教科長は私に言いました。

 

「比喩は、そのたとえたものに対して同じイメージを持てなければ、うまく伝わらないんだよね」

 

これは、比喩のおもしろさであり、一方で危うさでもありました。

比喩の本質ですね。

 

「その比喩を見たものが同じイメージを持って初めて比喩は伝わる力を持つ」

 

ということなんですね。

 

「・・・おもしろい。」

 

ここを伝えたい。

 

これが始まりでした。