授業を楽しむために大切なもの②
みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。
今日のテーマは……
「授業を楽しむ」パート2
です。このテーマは、前回に引き続き。ちょっと長めにあつかっていきますね。
前回は①教えたい柱を明確にする。という話でしたね。
今回は、
②そこに至るまでのストーリーを組み立てる。
③途中で話の枝分かれを作る。
④話の枕を教えたい柱とからませる。
⑤感動(感情が動く)ポイントを作る。
について、一つの例を挙げてまとめて、掘り下げて話をしていきましょう。
これを読んでくださっているみなさんが、何か授業の大会やコンペティションなどに参加された方であれば、これまでに
「渾身の一授業」
を作られたことがおありだと思います。10~15分程度の、授業という名の作品を。
その授業には、様々な思いを込められたことと思います。
何を教えるか。どんな例を使うか。どこで盛り上げるか。どこで考えさせるか。どんな言葉で伝えるか。どんな話を枕にするか。どんなエンディングにするか。
普段の授業でも、少なからず、これらのことを大事にされている先生方もたくさんいらっしゃいますよね。
上に書いたこと以外にも、考えることはたくさんあります。でも、そのストーリーを組み立てるうえで大前提となることは、
「その授業をしていて、自分は楽しめているか」
だと思います。
ストーリは、テラー自身が話していて楽しくなければ、聞いているほうだって楽しくありません。話しながら、「どうだい?どうだい?ほーら、面白くなってきただろ?」
そんなワクワクした感触を持ちながら話を進められるストーリーならば、いうことはありません。
そんなストーリーを組み立てるとき、どんな手順を踏めばいいのでしょうか?
たくさんの作り方があると思いますが、参考例として挙げてみたいのが、私が2016年名古屋で行われた全国模擬授業大会で日本一になった授業のストーリーの組み立て方です。授業のタイトルは「比喩の力」でした。
まず、初めにしたことは、「『教えていて楽しいこと』探し」です。どんな単元でも、その単元の難しさや奥深さ、様々な単元とのつながりなど、「こんなに知ると面白い」という部分があります。
授業大会で結果を残したい!だったり、生徒にインパクトのある授業を見せたい!だったり、授業のインパクトを強めたい場合は、その単元の魅力を自分で見つける必要があります。
私が全国大会に「比喩」という単元を選んだのは、そこに
「言葉の力の奥深さ」
を感じたからです。比喩は、入試問題や学校の教科書だけでなく、我々の日常会話の中にもふんだんに使われる、言葉をウィットに富んだものにする特別なものです。その魅力を伝える授業ができないものかと、図書館に行って様々な韻文に触れました。
作成の手順は
①比喩を通して伝えたい柱を決める
②誰に対して伝えたいか、その対象を決める
③どんな材料を用いるか決める
④どのように受けての頭や感情が動くかを想像する
⑤全員の一体感を作る場所を決める
⑥ユーモアを含める
⑦話の枕とエンディングを作る
⑧伝える言葉を選ぶ
⑨自分の授業を自分で見る
⑩身にしみこむまで繰り返す
といった感じでしょうか。このうちの、①~⑧までが「ストーリー作成」に当たる部分でしょうか。結構たくさんの手順を踏んでいます。今回だけですべてを語りきると大変な長さになりそうですので、続きはまた次の文章でご紹介しますね。
今回皆さんにお伝えしたかったことは、ストーリーを組み立てるには、そのストーリー作りを楽しむ姿勢がまず大切であるということです。皆さんが教えたい!これが教えていて楽しい!と感じられるものを、まずは自分の授業力を高める材料とすることだと思います。