授業を楽しむために大切なもの①
みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。
今日のテーマは……
「授業を楽しむ」
です。このテーマは、ちょっと長めにあつかっていきますね。
さて、みなさんが授業をしていて楽しいとき、周りはどのような様子でしょう?
①生徒が笑顔
②生徒が一生懸命自分の話を聞いている
③生徒が一生懸命問題に向かっている
④生徒から驚きや感嘆の声が上がる
⑤生徒と授業内容について共感できる
一言で表すと、
「目的に向けての一体感」
です。
この感覚が周りに対して持てていると、授業は楽しくあっという間に時間が過ぎていきます。
では、このような環境を作るうえで、何が大切になるか。一番は、
「授業への強い気持ち」
ですね。「自信」とでも言いましょうか。さらに言い換えると、
「今日はこれを絶対伝えたい」「早くこの授業の話を聞かせたい」
こんな気持ちです。
そこまでもっていくためには、当然
「しっかりとした授業準備」
が必要です。
では、その授業準備はどんな手順で始めるか?
①教えたい柱を明確にする。
②そこに至るまでのストーリーを組み立てる。
③途中で話の枝分かれを作る。
④話の枕を教えたい柱とからませる。
⑤感動(感情が動く)ポイントを作る。
ざっとこんな感じでしょうか。
今日の話では①を丁寧に扱います。
教えたい柱が明確になることについては以前に記載しました。そこがはっきりしてくると、教材研究に心がこもります。
例えば、英語の先生だったら、一般動詞を教えるときに「be動詞との文法上の働き方
の違いを絶対に伝えたい!」でもいいですし、「現在進行形と受動態の共通点を伝えた
い!」でもいいです。また、「音読トレーニングの重要性を伝えて今後のトレーニング
への納得感を高めたい!」や、「筆記力を高めるために英作文のスピードにこだわるよ
うにさせたい!」など、文法よりもトレーニングの質に目を向けて柱を立てる方法だっ
てあります。
そういう柱が明確になったら、次は、
「その柱が大切だということがきちんと伝わるための準備を丁寧に行うこと」
これが大切になります。
ただ「大事だ!大事だ!だ・い・じ・な・ん・だ~!」
だけで伝わるなら、こんなに楽ちんなことはないですよね。(笑)
ポイントは、
「これを知っていたら得だな」
という感覚を、生徒に持たせられるかどうかなんです。
当然、教えたい我々も、生徒がそれを知っているとこの後何かに役立つ、または、定期テストで力を発揮できる、または、入試で得点をとれる、つまり生徒にとって何か良いことがあるから伝えたいと思うわけですよね。
「これは入試に出やすいよ!絶対に覚えておいたほうが得だ!」
「後置修飾は中3でやる関係代名詞、高校でやる関係副詞にもつながってくる大切な見方だよ。The boy under the tree is Kinoshita. この文はしっかりと頭に入れておこうね」
このように、なぜその部分を力説しているかを相手に伝わる内容を授業の中で用意しておくこと。それは、「利便性」「出題の普遍性」に関わってくるはずです。
話の枕もそうですが、話の節々に
「生徒の中にあるお得感アンテナを刺激する一言」
を用意すること。これが、「教えたい柱を明確にし、それが伝わる工夫になる」んですね。
皆さんが教室に入ったときに、「あ、先生が来た。今日は何を教えてくれるのかな?今日はどんな面白い話をしてくれるのかな?」というわくわくした、きらきらした瞳でこっちを見てくれるようになる日が必ず来ます。それまでは、日々勉強、日々試行錯誤の連続ですね。