ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

授業を楽しむために大切なもの⑦

 

みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「授業を楽しむ」パート7

 

です。このテーマは、前回に引き続き。ちょっと長めにあつかっていきますね。

 

本日は、以下の授業の組み立ての④を扱います。

 

①比喩を通して伝えたい柱を決める

②誰に対して伝えたいか、その対象を決める

③どんな材料を用いるか決める

④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する

⑤全員の一体感を作る場所を決める

⑥ユーモアを含める

⑦話の枕とエンディングを作る

⑧伝える言葉を選ぶ

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

 

ちなみに、長くなっておりますのでちょっと補足。①の「比喩」は、私の全国模擬授業大会出場授業のテーマです。みなさんは、ご自身のテーマに置き換えてお考え下さい。

 

さて、

④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する

ですが、これはとても難しい技術。でも、このブログのタイトルでもある

「ラ・イ・ブな授業」には絶対に欠かせないものです。

 

この想像が生きてくるのが

 

「発問の仕方」

 

です。

 

 例えば、比喩の使い方によるイメージの違いを発問する時。以下の2つの例文を示したとします。

 

・ 彼はまるでチーターのように走る。

・ 彼はまるで子犬のように走る。

 

ここで、「チーターのように」から、どのように走っている姿が想像できるかを質問すれば、ほぼ100%「速く」走っていると、生徒は答えてくれるでしょう。

しかし、子犬の場合、そこそこの確率ではあるでしょうが、生徒全員の答えがいきなりそろうとは限りません。

 

10分や15分の中で授業を作っていたり、テンポを落としたくない授業を考えている場合は、

 

「この質問の仕方でどのように生徒の頭が動くだろう」

 

という意識が重要になります。

 

さて、みなさん。子犬の例文に対してのイメージを生徒に発問する際、どのように発問をすれば生徒の頭が自然に動き、且つテンポを崩さず教師サイドで説明が進められるでしょう?

 

これは、参考書の類にはあまり載っていない部分です。なぜなら、非常に説明しづらいから。正解はこうです。

(二つ目の例文を指さしながら)

「こっちのほうは、チーターのたとえと同じイメージをいだくかい?」

 

この発問はいわゆる「クローズドクエスチョン」というやつです。

「はい」か「いいえ」でこたえられる質問。

当然、この質問には、生徒はNoで答えます。首を横に振るわけですね。

そこにすかさず、

 

「そうだよね、こっちはかわいい感じだよね」

 

と、そのたとえの方向性を示す具体的な言葉をこちらで用意する。すると、生徒の頭はテンポを落とさず同時に動き、その動いている頭で

「速い=チーター≠子犬=かわいい」

という感覚を作り上げます。

 

子犬が「かわいく走る」かどうかは人それぞれの感覚。ある人にとっては、「すばしっこく走る」という感覚がまず第一かもしれません。

 

だから、いきなり「オープンクエスチョン」にすると、複数の答えが一気に返ってきて、それらをさばくのに時間を費やされてしまいます。

 

発問の仕方によって、生徒の頭は動き方を変えます。オープンかクローズドか、むずかしいかやさしいか、長いか短いか、重いか軽いか。

 

大切なのは、その質問を受けた生徒が、どのような反応をするか、しっかりと想像しておくことで、授業の流れを上手にコントロールできるということです。

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 皆さんは、「マジシャンズセレクト」という言葉を聞いたことがありますか?

ターゲット自身に選択させているように見せかけて、実はマジシャンの思い通りにターゲットを動かしているというスキルです。

 

私は小さいころからマジックが好きで、一人でカードマジックやコインマジックを練習したものでした。東急ハンズのマジックコーナーで見つけたちょっと高いけれどカードマジックの歴史や技、いくつもの代表的なカードマジックの方法などが書かれている上の辞典は、遊び心や驚かせるためのタネがたくさん書いてあります。指の動きやカードの動きが言葉で示されているので読むのに苦労しますが、カードの運びや曲げた時につくカードのクセ等を利用し、上手に相手を欺く方法に出会えます。

 

授業の「仕掛け」は、マジックにも通ずるものがあります。
マジシャンが、「マジシャンズセレクトで」相手の無意識に働きかけるように、教師も「発問で」相手の無意識に働きかける。

 

「発問は、授業のコントローラーである」

 

この、授業の組み立てシリーズが終わったら、具体的な発問例を様々にご紹介し、皆さんの授業の組み立てのお役に立ちたいと思います。