ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

喩え力は、生徒の気持ちを引き付ける。

。みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「喩え力」

です。

 

 これ、授業力には欠かせないもの。授業は言葉でつむがれるものですから、その言葉が生徒の頭にどれだけ刺激的なものかが、部活で疲れた生徒の集中力を維持するのにかかわってくるのは当然。

刺激といっても、きつい言葉だったり、汚い言葉だったりするのではなく、意外な表現だったり、イメージが膨らんだりするようなもののことです。それはつまり、

 

「話のイメージがより伝わりやすい言葉=メタファー(比喩)」

 

です。

 

 たとえば、生徒がテキストの解答冊子を無くして答え合わせができないことをうったえてきたとします。そんなときに、みなさんだったらどんなふうに切り返しますか?

 

 生徒:「先生、まるつけできない。テキスト消えた~。」

 先生:「まったく、部屋掃除してるか?足の踏み場はあるのか?」

 

なかなかですね。テキストの話から、その原因が「だらしなさ」にあるとしたら、「その部屋はきっと汚いんじゃないか?」というイメージにつながり、指摘したことが直接無くしたことを非難する内容ではなくなっています。

 

 生徒:「先生、まるつけできない。テキスト消えた~。」

 先生:「あ~あ!テキストかわいそう~。きっと会いたがってるだろ~な~。」

 

これもなかなか。「擬人法」ってやつですね。テキストに感情を持たせてテキスト側から見た自分をイメージさせる。自分の行動を客観的に考えさせるから、冷静に反省させられるんですね。

 

 生徒:「先生、まるつけできない。テキスト消えた~。」

 先生:「マジシャンか!」

 

私、結構使うのがこれです。(笑)ひとこと目に挟むことで、「叱られるんじゃないかなぁ……」という生徒の不安を一掃できます。「テキストが消えた」は当然文字通りの意味ではなく、「テキストを無くした」ということを伝える言葉。それはこちらも承知したうえで、あえて「文字通り」に受け取ってみることで話の中に心地よい「ズレ」が生じるんですね。

 

 これは授業の中でもそうですし、授業の外でのやりとりについてもそうです。その一言に「ユーモア」を感じさせることで、生徒の気持ちを引き付けることができます。これがいわゆる「刺激」なんですね。

 

 「喩え力」と一言で言っても、そのかたちやもとになるものはさまざまです。でも、この力は「表現力の源」といっても過言ではありません。私も、授業の中で思いがけず反応したものが心地よい喩えだった時には、その表現をずっと使っていきます。模擬授業大会や夏期合宿、特訓授業など、念入りに授業を組み立てるときにもどんなたとえを挟むかを大事にします。

 

 「喩え力」を鍛えて、言葉にユーモアの力を持たせることで、生徒に心地よい「刺激」を与える。それが、丁寧に準備された教材研究をさらに輝かせるものになるでしょう。

 

 これからも引き続き、一緒に喩え力を鍛えていきましょう!