ラ・イ・ブな授業!

授業準備・教材研究のヒントとなる情報を掲載します!

仕事のつぶやき①

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!みなさんの授業の中で「すぐにつかえるネタ」をお伝えしたいと思います!と、いつもなら。でも、本日は、少しのつぶやきにお付き合いを。

今朝の読売新聞の社説に、高校の新指導要領についての記述がありました。

 

「文学に親しむ機会失わせるな」

 

という言葉と共に。

 

2022年の新指導要領から始まる「現代文」の2コース化。

ひとつは、実用的文章を学び、論理力を養う「論理国語」。

もうひとつは、文学を題材にする「文学国語」。

 

「理」をより良く学ぶための「情」の分離。

 

そうともとれるので、この社説では、

現場に柔軟な対応を呼びかけています。

 

夏目漱石の「草枕」の冒頭を思い出しました。

 

「智に働けば角が立つ。

 情に掉させば流される。

 意地を通せば窮屈だ。

 とかくに人の世は住みにくい。」

 

そういう感受性をもって生きていけることが、

人に支えられることで生きていける人生を

豊かにするはずだと、私も思いました。

 

こういう動きに対して、みなさんなら、

みなさんの教え子たちに、

どんな話をしますか?

 

そういう話に垣間見る

 

「あなたらしさ」

 

に、教え子たちは心動かされるのだと

 

私は思うんです。

 

 

 

授業の雰囲気を大切にする

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!みなさんの授業の中で「すぐにつかえるネタ」をお伝えしたいと思います!

今日は「授業の雰囲気を大切にする」です。

 

なんてことはない、タイトルそのままの内容です。

 

クラスの中に、前向きな発言をする生徒が増えるように、

クラスにモチベーションをかけていくんです。

 

「やれる」

「できる」

「必ず成長する」

 

そういう言葉を投げかけ続けてみてください。

もちろん、ただ熱く、根拠もなく話をしてても

たいして伝わらなかったりするので、

 

肝心なのは、

 

「生徒の成功体験を引き合いに出すこと」

 

ですね。

 

どれだけ小さなことでも、

どれだけ以前のことでも、

 

目の前の生徒が過去にできた事実は

誰にも否定できません。

 

有名人や偉大なスポーツ選手の話もいいですが、

身近な存在の成長はもっといい。

 

熱く語るより、心を込めて丁寧に

そして身近な例を根拠に、

 

目の前の生徒全員の可能性を

確信する話をするんです。

 

そういうアプローチの一つ一つが、

前向きな生徒の発言を増やします。

 

その発言一つ一つが、

時に後ろを向きそうになる心を支えるんです。

 

だから、

講師によるクラスの導き方は重要です。

なんとなくマンネリ化してきていたり、

なんとなくマイナス発言が増えてきている、

そんなクラスの雰囲気をお感じの先生方、

 

ぜひ、明日から取り組んでみてください。

生徒一人一人に、前向きなエネルギーを

与えていきましょう。

 

きっと、気が付いたら

前向きな発言をする生徒が埋まれ、

その友人の一言に救われる生徒が出てくる

ことでしょう。

 

集団の力。グループダイナミクス

 

個別指導にはない、特別な力です。

 

 

 

 

 

わかりやすい授業・・・

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!みなさんの授業の中で「すぐにつかえるネタ」をお伝えしたいと思います!

本日は、「わかりやすい授業の逆」です。

生徒にとってわかりやすい授業
とはどんな授業でしょう?

説明の言葉が易しくてわかりやすい。
イメージが浮かびやすい。
言葉がゆっくりで聞き取りやすい。
順序良く説明してくれる。

などでしょうか。

確かに、生徒にとってわかりやすい授業はとても助かります。

大体にして、

「わかりづらい」=「苦手」

という構造になりやすいですものね。

しかし!

本当にわかりやすいだけでよいのでしょうか??

以前の記事でも書いたように、

わかりやすい授業≠得点力の上がる授業

なんです。この二つの授業は決してイコールではない。

なぜなら、

生徒が得点力を上げるためには、

生徒自身の頭で考えるトレーニングを
しなければならないからです。


では、どうすればそれができるのか。

その答えの一つは、

「説明しすぎないこと」
です。

でも、それってどうやるの??

細かく分けて説明すれば、いくつかの方法があります。

本日は、そのうちの一つ目をご紹介しますね。

その方法とは、、、

「生徒が知ってること、気づけることはすべて生徒に言わせる」
です!

??? そんなこと言われたって。。。という感じですよね。

でも、実際にやってみると、そんなに難しくないです。

質問は、以下の流れをパッケージにして使いまわします。

《発問のパッケージ》
①何を答える問題?
②どこを見る?
③次に何する?
④他に気を付けることは?
⑤答える条件は?
⑥だから答えは?

といった感じですね。

生徒と同じ問題を見ながら授業をするわけですから、

普段教師が言っていることをそのまま生徒に言わせる

ようにすればよいわけです。すると、生徒たちはただ

講義を聞いているときよりも

主体的に授業内容に

頭を動かすことになります。

当然、慣れないと

「しーん・・・」

という何とも言えない「間」が生まれて、

話が途切れるのが気持ち悪い方はついつい

自分で説明を始めてしまうかもしれませんが、

こはちょっと待った!!

生徒の発言を信じて、いつもの倍の時間、

生徒の声が聞こえるのを待ってみましょう。

もし、3倍待っても聞こえなかったら、

答えを……言いません。ヒントです。

特に、その問題において

絶対に生徒に気づいてほしい

と思うところは、絶対に生徒に言わせるまで

こちら側が譲らないようにしましょう。

そうやって、

教師は発問を中心に、

生徒は考え方を説明したり、

発言することを中心に。

そうしていく中で生徒たちが自分自身の頭で

ヒントに気づけるように導くわけです。

こういった授業にも当然デメリットはあります。

たくさんの問題を扱いづらくなるということです。

生徒に考えさせる分、授業の展開スピードは

確実に落ちます。しかし、問題をじっくり考える

姿勢を生徒につけることを目的とするならば、

そういう授業の回があっても

私は良いと思うんです。

親切な授業、わかりやすい授業は、

時に、生徒が自分自身の頭で考える力を

育てない授業になってしまいます。

本当に良い授業とは??

みなさんもぜひ、生徒にとって本当に良いアプローチを

いろいろと考えてみてくださいね。

本質思考

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!本日は生徒への記述力対策がテーマです。先生がたの授業の参考になる「すぐに使える!」

というネタをお伝えしていきますね!

 

本日は、

「本質思考」

です。

 

この言葉だけでは、お伝えしたいことすべてを一度にお伝えできませんが、言い換えるとしたら、

 

「突き詰めていくとたどり着く場所まで突き詰めきる考え方」

 

と、こんな感じでしょうか。

 

私は、小学生が受験する中高一貫校の記述対策の授業を担当する機会が多くあります。これを書いている本日も、川崎で朝から小学6年生相手に

 

「意見文対策講座」

 

をおこなってきました。

 

その道の識者がしたためた文章に投げかけられた、

 

高い視点から生まれた「本質」

 

を、齢(よわい)まだ11か12の生徒たちが、

 

身近な例に置き換え、これからにどう生かすかを考え、

 

まだまだ不器用な文たちで精いっぱい表現する。

 

そんな講座です。

 

でも、こんなふうに簡単な言葉でまとめるほど、

 

簡単なことではありません。

 

  • 原稿用紙の使い方は正しいか
  • 誤字脱字はないか
  • 字数は足りているか
  • 条件は守っているか
  • 問題の文章に関連付けて書かれているか
  • 初めて読んだ人にもきちんと伝わる内容であるか etc……

 

 様々なハードルを越えながら理想的な文章を書く作業は、「忍耐」の連続。

 

どんな言葉を紡げばいいのか。

 

やっと書き上げたものも、読み返せばほころびだらけ。

 

 添削は悔しく、次の筆を重たくさせる。

 

そのぶん、

 

「よく書けた」

 

の一言が、

 

どれだけ輝いた目を生むことか。

 

教える側も忍耐。教わる側も忍耐。

 

この歳で「本質」なんていったって、心から実感した本物であるはずがありません。

 

でも、文章を書くということを教えていると、たとえそれが表面的なものに過ぎなかったとしても、

 

「本質」を突き詰めて思考させたい。

やっぱり大事なことはいつの時代も変わらない。

 

そういう思いに満たされていきます。

 

なぜなら、生徒たちは、素直な目で、

 

それらを精一杯吸収しようとまっすぐな姿勢を私にぶつけてくれるからです。その姿勢があれば、たとえすべてが伝わらなかったとしても、って思ってしまうんです。

 

本日の問題の中に、こんな問題がありました。

 

 問

あなたは普段、人とのかかわり合いについてどのようなことを意識していますか。そのように意識している理由としてこれまでの生活体験をあげながら、後ろの[注意事項]に合うように考えや意見を書きましょう。

 

[注意事項]には、字数や段落数の指定、原稿用紙の使い方の指示などが書かれています。

 

それよりも、

 「人とのかかわり合いについてなんて、日頃意識するくらい大人だったかな?小6の自分は。」

なんて考えてしまうくらい、「本質」を問われている問題ですよね。

 

そこで生徒たちから出てきた文は、

 

「言葉遣いに気を付けています。」

「相手の気持ちを考えるようにしています。」

「相手を傷つけないように気を付けています。」

「いろいろな人と 関わるようにしています。」

 

優秀です。でも、表面のみ。

 

その理由は、

 

「言葉遣いで失敗したことがあるからです。」

「相手の気持ちを考えるのは大切だからです。」

「以前、そのようなことがあったからです。」

「自分の性格は人見知りしない性格だからです。」

 

そのあと、具体的な体験が一生懸命つづられ、ラストは、

 

「だから、言葉遣いに気を付けていきます。」

「だから、相手の気持ちを考えて過ごしていきます。」

「だから、・・・・・・」

 

というように、そのままエンディングです。

 

本質に触れないまま、こんなようなことを書いておけばいいかなっていう内容で

 

見た目は形になって、書き終える……

 

そういう生徒たちに、きちんと「本質思考」を伝えるんです。

 

なんのために?誰のために?

そういうことを、すぐにはわからなくても、

きちんと考える機会を与えるんです。

 

 

教師:「言葉遣いに気をつけるということは、結果的には何を大切にしていることになるんだろう?」

 

生徒:「友達の気持ち?」

 

教師:「そうだね。ということは、他の人の気持ちを大事にしながら話すっていうことだよね?では、なぜ他の人の気持ちを大事にするといいのだろう?」

 

生徒:「喧嘩になっちゃうから」

 

教師:「ははは(笑)そうか、相手の思い通りにならないとあいてのきげんがわるくなるってことかな?でも、それはちょっと違うかな。もしそれが正しいことなら、反対から考えた時に、『自分の思い通りにしてくれなかったら喧嘩を吹っかけて当たり前ってことになる』だろ?

 

生徒:「そっかぁ」

 

教師:「大事なのは、お互いがお互いを思いやることで、相手の意見がどういうものか、きちんと考える機会がお互いにできるということじゃないかな?お互いが力を合わせて何かの課題に立ち向かっていくうえで、お互いの価値観や文化の違いを乗り越えていくことって絶対に必要になるよね?そんなとき、相手の気持ちが大事できない人たちばかりで、果たして目標を達成することができるかな?」

 

生徒:「たしかに」

 

教師:「きっと、こういうところに本質があるんだよ。『人とかかわり合う』のは世の常。生きていくうえでは避けて通れない。生まれた瞬間からその人はだれかとのつながりの中にいるんだ。そして、これからたくさんの人との出会いと別れがある。そういうものがひとつひとつ意義深いものになっていったら、きっと世の中やそれぞれの人生はもっといいものになるよね。」

 

生徒:「うん、たしかに」

 

教師:「だから、言葉遣いは大事なんだね。相手との関係をまるくする。相手との距離感を適切に調節するのは言葉の持つ大事な力だ。みんなで生きていく社会だからこそ、相手への思いやりが大事になる。これがみんなの意識した行動の本質的な大切さなんだね。」

 

 

こういう話をしているとき、生徒は真剣な表情をして、さらにたくさんのものを主体的に吸収してくれている、そんな印象を受けます。多感であり、好奇心のスイッチがさびていない若い時期に、こういう「本質論」は大事ですね。たくさんの子供たちが、目の前の様々な手段の先にある目的、そして、その目的の本質を考えながら賢く行動できるように導く。おこがましいですが、大事な教師の仕事だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

授業のネタ《教科編》社会①

みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。本日は授業のネタ。社会編です。

これからも、先生がたの授業の参考になる「すぐに使える!」

というネタを用意して様々な具体的経験をお伝えしていきますね。

 

本日は、

「時差の教え方」

です。

 

時差は、教えるときに、

 

地球が一周360°、24時間で一周するから、

 

1時間あたり360÷24=15°

 

15度で1時間の時差が生じる。

 

ここまでは当たり前ですね。生徒たちの理解自体も難しくないと思われます。

 

しかし、

 

時差の授業のわかりやすさは、ここからが違い。

 

時差の理解が苦手な生徒には、以下のフレーズを使って説明することをお勧めします。

 

《時差が苦手な子たちにはこのセリフ!!》

  • 時差は永久に変わらない!ある国とある国の間に変わらない時間でずっとある。
  • 時差があるのは、地球上にある場所が違うから。場所が違えば、日が当たるタイミングも違うにきまってる。だから、朝が来るタイミングも違う。こっちの朝と、こっちの朝のタイミングの差。それが時差。
  • 日本は、ニュージーランドなど一部の国を除いて、どの国よりも未来を進む!だから、他の国との時差がわかったら、日本の時間より、その分過去に戻せば、他国の時間になる。
  • 時差を考えるときは数直線がお勧め!数直線は、地球の周り(赤道)に巻いたリボンを外した感じ!リボンの中央にはイギリスの旧グリニッジ天文台を通る軽度0°ライン!
  • 日付変更線だけじゃイメージできない。日付が変わるタイミングの、「地球の1周が始まる地点」をイメージしなきゃ。(地球儀を持ってくる)
  • 地球儀の地球を支えるフレーム(緯度の角度が刻まれている孤の形のフレーム)を、1日のスタートラインに見立てる。
  • 地球儀の地球をクルクル。このフレームを通り過ぎた瞬間がハッピーニューイヤーね。
  • そうすると、日本を追って、中国が、次にインドが、次にサウジアラビア……ほら、いろんな国が、このフレームを通過して、新年を迎えてるね。そのスタートが、この日付変更線ね。
  • 日本の時刻と外国の時刻はどちらかにあわせて考える。問題の中で移動するときは、こんがらがらないようどっちかに合わせる。そのときに時差を利用しよう。
  • 東経どうしとか、西経どうしとか、同じ経度どうしの差は引き算。東経と西経の差は足し算で角度差を求めること。(数直線で見せて)
  • 日付変更線を挟まない角度を用いること。もし、日付変更線を挟んでとあったら、その角度を360から引いて出た角度を、時差を求めるのに使う。

 

 

 

 

どんな言葉を使うか。どんな見せ方をするか。それによって、その単元が難しく感じるか簡単に感じるかが変わります。

 

時差を教えるなら、数直線の板書と地球儀があれば、あとは上のフレーズを利用した説明力で完璧!!時差嫌いを無くせます!!

 

地球儀は高いですが、一個あるのとないのとでは大違い。生徒のためにも、100均で売っているような小さな、シールがずれているようなものではなく、きちんとしたものをひとつご用意ください。そして、その地球儀のフレームも上手に利用しながら、時間の流れや、日付が変わるタイミングを上手に生徒にイメージさせて、時差を考えるコツをつかませてくださいね!!

 

難しいことをやさしく教えられる。これ、最強ですよね。

 

授業を楽しむために大切なもの⑪

みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「授業を楽しむ」パート11

 

です。このテーマは、前回に引き続き。かなり長めにあつかっておりますが、

やっとラストです!(笑)

 

本日は、以下の授業の組み立ての⑨と⑩を扱います。

 

①比喩を通して伝えたい柱を決める

②誰に対して伝えたいか、その対象を決める

③どんな材料を用いるか決める

④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する

⑤全員の一体感を作る場所を決める

⑥ユーモアを含める

⑦話の枕とエンディングを作る

⑧伝える言葉を選ぶ

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

 

ちなみに、長くなっておりますのでちょっと補足。①の「比喩」は、私の全国模擬授業大会出場授業で日本一をとった時のテーマです。みなさんは、ご自身のテーマに置き換えてお考え下さい。

 

繰り返しますが、長々と書いてきた授業の組み立てシリーズも今回でラスト!!

 

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

 

についてお話していきます。

 

当たり前の話ですが、

 

授業がうまくなるのに、近道はありません。

 

練習。これが大事。

 

でも、そのやり方を効率よくすることはできます。

 

それが、⑨自分の授業を自分で見る です。

 

皆さんは、自分の授業の映像を見たことはありますか?

 

そこから学べることは結構たくさんあります。

 

  • 自分の表情
  • 声の大きさ
  • 動きの量
  • アイコンタクトの幅
  • 字の大きさ
  • 板書のバランス
  • 板書の配色
  • 声の抑揚の幅
  • 説明のわかりやすさ
  • 説明の的確さ
  • 言葉遣い
  • 時間の感覚    などなどなど……

 

すべて、一つ一つ欠かすことのできない授業の部品です。

ですが、見落としやすい部分である最後の「時間の感覚」は、授業の印象を最後に左右するといっても過言ではありません。

 

これは、他の項目とは異質なものです。

 

なぜかって?

 

それは、

 

「授業が終わってから相手に与える印象を左右する」

 

からです。

 

生徒がよく集中した授業の後に、

 

「えっ? もう授業終わり??」

 

なんて発言、聞いたことありませんか??

 

これ、結構快感ですよね(笑)

 

その感覚を与えるのは、生徒の思考が集中していることにも因るんですが、それだけでなく、授業全体のテンポにも因ると、私は考えています。

 

模擬授業大会の時間は15分の設定が多いと思うのですが、やるほうはあっという間ですよね。ですが、

 

聴く側にとっては、15分って、結構長いです。

 

特に、だらだらと流れる15分は大変。極端ですが、身動き一つせず15分座っていなさいって言われたら結構きついですもんね。

 

その長さを生徒に感じさせた分だけ、授業のイメージは下がる

 

というわけです。

 

では、どうすればその長さを感じさせにくくできるか??

 

コツは結構単純なんです。

 

それは、

 

「授業の後半につれて、テンポを少しアップしていく」

 

ただ、それだけの事。(byぷふ)(笑)

ハンターハンターを知らない人、ごめんなさいね。

 

これを少し意識するだけで、授業全体が結構引き締まります。

 

ただ、頭でわかるのと、実際にできるのとでは違います。

 

実際に後半をテンポよくやろうと思ってやってみても、あせってしまって話すのが難しくなったり、早口で聞き取りずらかったり、なかなかバランスの良いポイントに収めるのが難しいと感じると思います。

 

だからこそ、⑩身にしみこむまで繰り返す ということが必要になるわけです。

 

見つけた課題を修正するには、何度も何度も練習しなければ、自分のものにはなりません。そこは大変ですけど、納得いくまでビデオに自分の授業をおさめて、

 

「よし!このテンポなら聴ける!」

 

というものを見つけられたら、それは何とも言えない充実感を、皆さんの心の中に生み出してくれるはずです。

 

 

さて、このシリーズの全部を読んでくださった方、本当にありがとうございます。

「授業を楽しむために大切なもの①」で書いた

 

①教えたい柱を明確にする。

②そこに至るまでのストーリーを組み立てる。

③途中で話の枝分かれを作る。

④話の枕を教えたい柱とからませる。

⑤感動(感情が動く)ポイントを作る。

 

という準備のすべてを包含する話ができていたと思います。

 

途中で話の枝分かれを作る。

については、様々なパートを作ることで、聴衆を飽きさせない工夫につながります。

 

私の比喩の授業であれば、

 

「比喩がつくる違ったイメージ」「比喩がつくる同じイメージ」

「比喩が伝える文字で表されていないもの」

「比喩が伝える少し先の未来」

「比喩の盲点」

 

のといった感じです。

 

それらはすべて、

 

「比喩の力」を上手に伝って、人生を豊かに

 

という④話の枕を教えたい柱につながります。

 

そして、⑤感動(感情が動く)ポイントについては、

 

私の比喩の授業であれば、

 

「桃のような掌」のシーンや

よだかの星」のシーン、エンディングの「言葉の海」のシーン

 

 あたりがそれに当たります。

 

もちろん、授業の組み立て方に、絶対の正解はこれ!

なんてものはないでしょう。

 

皆さんが重ねた、心を込めた準備の数だけ、

よりよい授業のカタチへの道は、開けていくのかもしれません。

 

これからも、授業を楽しみ、生徒を笑顔にさせたいという先生がたに向けて、私が気付いたこと、感じた事、皆さんに役立てていただけるのではないかということを、つれづれなるままにここに記していこうと持っています。

 

そして、みんなで日本中を「良い授業」でいっぱいにしましょう!!

 

これからもお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます!

 

授業を楽しむために大切なもの⑩

みなさん、こんにちは!授業力向上委員会会長ハッシーこと、橋本雅由です。このブログでは、みなさんと「授業力向上のためのヒント」を共有してまいります。

 

 今日のテーマは……

 

「授業を楽しむ」パート10

 

です。このテーマは、前回に引き続き。かなり長めにあつかっております。

 

本日は、以下の授業の組み立ての⑧を扱います。

 

①比喩を通して伝えたい柱を決める

②誰に対して伝えたいか、その対象を決める

③どんな材料を用いるか決める

④どのように受け手の頭や感情が動くかを想像する

⑤全員の一体感を作る場所を決める

⑥ユーモアを含める

⑦話の枕とエンディングを作る

⑧伝える言葉を選ぶ

⑨自分の授業を自分で見る

⑩身にしみこむまで繰り返す

 

ちなみに、長くなっておりますのでちょっと補足。①の「比喩」は、私の全国模擬授業大会出場授業で日本一をとった時のテーマです。みなさんは、ご自身のテーマに置き換えてお考え下さい。

 

今日は

 

⑧伝える言葉を選ぶ

 

についてお話していきます。

 

これは、この10項目の中でも、皆さんにお伝えするのが難しい部類に入ります。

 

皆さんは、授業を準備するときに、

 

「セリフの下書き」までおこないますか??

 

まぁ、時と場合によりますよね(笑)

 

もしかしたら、ほとんどされたことがないかたもいらっしゃるかもしれません。

 

それでいて、生徒の聴く姿勢がつくりきれないんだよな~、なんてお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひ!!すぐにでもやってみてください。

 

まずは、自分がどんな言葉で授業をしようとしているのか、自分の目ではっきりと見るために

 

「文字にしてみる」

 

ということが、結構大事だったりするんです。

 

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上の写真は、私が全国模擬授業大会の授業に向けて書いた、セリフの走り書き。15分一本の授業を準備するのに、1冊のノートを使い切るくらいです。

 

それでも、書き出した言葉からは、なにかささくれのような気持ち悪い突っかかりがあるものが出てきます。書いてみて、初めて気づける鈍さやまどろっこしさがあるんです。

 

書いて、気づいて、直して、言ってみて。

 

それを繰り返していくことで、言葉は洗練されていきます。

 

この授業の後半に、宮沢賢治の「よだかの星」を引用した場面を用いた時に、

 

「寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました」

 

という比喩の、「よだかを刺しました」をどう表現するか。

 

さて、選んだ言葉によって、その授業のカラーは大きく変わってきます。

 

明るいくて軽い雰囲気にしたければ、

 

「痛いよね~!剣で刺されたら。みんなは刺されたことある?ぼくはね~、うしろ指ならある。これはね、心が痛いね~(笑)」

 

なんて、冗談を言えばいい。

 

でも、私はここの場面では、しっとりとした雰囲気を作りたかったので、その言葉のチョイスでは不適切だったんです。

 

ここについて「みんな、どう?」って発問したのでは、正直どんな答えが返ってくるかわかりません。時間に余裕がある授業では、それでいいのかもしれませんが、制限があるなかであれば、

 

「答えを言わず、でも、みんなの頭が同時に動くようなヒントになる発問がしたい」

 

例えば、

 

「みんな、賢治はなぜ針(はり)や錐(きり)ではなく、剣(けん)という言葉を選んだんだろう?」

 

こんな感じで。

 

この発問の狙いは、

 

「刺さる物のサイズ感を、聴衆が勝手に想像してくれるはず」

 

とでもいうべきなのでしょうか。それは同時に、

 

「よだかの傷の大きさ」

 

にまで及びます。そこから、

 

「その先に描かれる”よだかの死”という未来」

 

に結びついていく。そうやって、聴衆の頭が同時に動いていく。

 

選ぶ言葉が、相手の頭の動かし方を左右する。まさに、魂のこもった意図が含まれた言霊になって相手に届くんです。

 

だから、⑧伝える言葉を選ぶ は大事なんですね。

 

何とか説明できましたでしょうか??

 

皆さんも、たくさんの授業準備の中で、たくさんの言葉選びを楽しんでくださいね。それは必ず、皆さんの授業に磨きをかけ、生徒の集中と笑顔を増やしてくれることと確信しています。