言葉の意味を伝える
みなさんこんにちは!授業力向上委員会会長(現在の会員は私だけ(笑))橋本雅由と申します!みなさんの授業の中で「すぐにつかえるネタ」をお伝えしたいと思います!
本日は、「言葉の意味を教える」です。
寒心に堪えない
どういうでしょうか?
このさきどうなるのやらと、ぞっとすることです。
明鏡国語辞典には、
「恐ろしさや不安に襲われ、心配でたまらない」
とあります。
「堪えない」には、新明解国語辞典に、
2つの意味が載っていますが、
こちらに当たるほうは、
「心からそういう気持ちを持つことを禁じ得ない」
とあります。
意味を教えるときのコツは2つ、抑えてください。
① どうしてその言葉が使われているのか
② その言葉からどのようなイメージを持つか
です。
「寒心に堪えない」の場合、
①については、「堪えない」の意味を説明することがそれに当たります。
「聞くに堪えない」という形での使い方は、
「不快でまともにそうできない」
という意味になりますので、
比べながら説明したりできますね。
②については、
「寒」の字のイメージです。
たとえば、「心温まる」という言葉から、
どのような気持ちがイメージできるかを生徒に問うてみれば、
反対もまた想像しやすくなりますね。
そして、最後にとどめとして、
「誤った例文を書いて考えさせる」
という形で頭を使わせます。
例えば、
「寒心に堪えないで、すべて素直に打ち明けるべきです。」
などはどうでしょうか。
この例文の狙いは……
もうお気づきですね。
「堪える」を「我慢する」の意味で使っているんです。
どこがどう違うのか、
また、
この例文の狙いは何か、
そのようなことを生徒に聞いても、
面白い授業になりそうです。
言葉の意味は、ただその正しい意味を伝えるのではなく、
その言葉がどのような組み合わせや選択で生まれているのか、
その言葉を作った人がどんなイメージでいたのかを、
一緒に考えるような、
そんなアプローチで言葉に関心を持たせられるとよいですね。